お口ぽかんの検査、ご存じですか?

こんにちは、今日は久しぶりに歯科の話です、特に周りにお子さんがいる方にはぜひ読んでいただきたいです(.. )

昨年、読売新聞オンラインでこんなニュースが出ました。

実に3割のお子さんで「お口ぽかん」、専門的にいうと「口唇閉鎖不全」が認められたというニュースです。

そんなに問題なの?と思われる方も多いと思いますので、今日はなぜ口唇閉鎖不全が問題視されるのか、解説してみますね(゜_゜>)


●口唇閉鎖不全によって起きうること


①歯並びが悪くなる


歯医者をしていると、「明らかなお口ぽかんがあるのに歯並びはきれい」というお子さんに出会うことは、まずないことに気づきます👀


これにはれっきとした理由があります。


イラストのように、歯並びは内側(舌)からの圧力と外側(唇・ほっぺ)からの圧力のバランスが取れているところに作り上げられていきます。

このバランスが悪いと、歯並びは悪くなってしまいます。



※大切な舌のポジション

安静にしているとき、舌は口蓋といってお口の天井にくっついています。

舌が口蓋にしっかり接しているとき、口で呼吸できますか?(できないですよね)

では、お口をぽかんと開けてみてください(゜o゜)

舌の位置は下にだらんと下がりませんか?そして口で呼吸できるようになりますよね。

この状態ですと、筋肉のバランスは崩れ、上の歯が出っ歯になったり(上顎前突)、歯の並びがガチャガチャ(叢生)を引き起こしやすくなります。面白いですよね。



②風邪やアレルギー性疾患にかかりやすくなる


特に今のご時勢では、大切なことですよね…

これは、鼻呼吸と口呼吸の違いを理解すれば分かりやすいと思います。

イラストのように安静時は鼻で呼吸するのが正しい状態です。

鼻で呼吸することで、空気にウイルスが付着したチリなどが含まれていても、鼻毛が関所となって、体内に入るのを防いでくれます。

また、鼻の奥では空気が温められ湿り気を帯びる機能が備わっているため、もしウイルスが入ってきても病原性を弱めてくれます。

「鼻は天然のマスク」と呼ばれるのも、こういった理由があるからなんです(^^)


一方、口呼吸はどうでしょうか?

異物を含んだ空気がダイレクトに、冷たく乾燥したまま気道に侵入します。

のどの奥にあるリンパ節を常に刺激し続けてしまうため、これが免疫の不調につながり、喘息やアトピーなどのアレルギー性疾患のリスクを高めることが分かっています。



https://www.youtube.com/watch?v=c6Rao9TWGTU

(口呼吸によって何が起こるかのアニメーション動画です。英語ですが、音声解説がなくても内容は一目瞭然だと思います)


③むし歯のリスクが高まる、口臭が強くなる


一言でいうと、唾液が乾燥しやすくなるからです。

むし歯の仕組みでも解説している通り、唾液はむし歯を防ぐために欠かせない役割をしています。

また、口の中の細菌を洗い流したり、殺菌したりするためにも欠かせません。

朝起きた直後は、誰でも必ず口臭があります。これは、寝ているときは唾液の分泌

が少なくなり、細菌の繁殖が起きるからです。

「むし歯は夜つくられる」と言われるのも、唾液の働きが落ちるからなんです。



④いびきや睡眠時無呼吸を引き起こす


お口ぽかんによって、舌の位置が下がると、寝ているときに舌根(舌の根本部分)がのど元に落ちこみやすく、空気の通り道が狭くなります。



また、お口を閉じる筋力(噛む力とは違います)が発達しにくいため、「食事の時にクチャクチャ音が鳴る」「風船をうまく膨らませらない」などということが発見のきっかけになることもあります。


当院ではこの口唇閉鎖の機能に問題がないか、検査を行うことができます。

(15才未満が対象で、保険適用の数百円の検査です)

写真のように「お口の綱引き」をするような感じで、唇を閉じる力をチェックする簡単な検査です。(でもやってみるとけっこう難しいです(笑))





口唇閉鎖不全は自然に改善するのは難しいですが、歯科医院で検査を受けて、簡単なトレーニングや生活のアドバイスを実践すれば、ある程度鍛えることができます。

また、すでに歯並びに影響が大きく出ている場合は、トレーニングと同時に機能性マウスピースによる矯正治療を提案することがあります。(この治療については、また後日解説します)

逆にお口の周りの筋肉のバランスや呼吸の仕方に問題がある場合、矯正治療で歯並びを治したとしても、後戻りをしてしまう可能性が高くなります。


お口ぽかんがもたらすデメリットが、たくさんあることが分かっていただけましたでしょうか。

全国の3割のお子さんがこの問題を抱えているというのは、かなり多いと思いませんか?👀(昔と比べると、かなり増加していると言われています)


子どものうちに口唇閉鎖の機能を獲得しておくことが、その後のお子さんの発育によい影響をもたらすのは間違いないと思っています。

歯科医師として、お口の健康を通して健やかな生活を送れるお子さんが一人でも増えるといいなあと考えていますので、そのようなお悩みがあればお気軽にご相談くださいね(゜_゜>)


今日は、口唇閉鎖不全を通じて、口呼吸や舌のポジションが及ぼす影響について解説してみました、ここまで読んでいただいてありがとうございました(.. )


#小児歯科


(奥州市水沢 ささき歯科医院 歯科医師 佐々木俊)



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